栃木県自然環境課 様

リアルタイム データ分析で業務効率化!
参加事業者のマーケティングを効果的に支援


日光地域にある日光田母沢御用邸記念公園や英国大使館別荘記念公園等の地域資源を活用し地域活性化する目的で、日光の地元の飲食店、物産店や地域団体を組織している「日光別荘めぐり連絡会議」。その事務局を栃木県自然環境課が担当されています。
かつて皇室や欧米の外交官の方々のプレミアムリゾートとして栄えた施設等を巡り歴史を辿ってもらう目的で、「国際避暑地日光 皇室・大使の別荘めぐり」のスタンプラリーを2018年以降定期的に開催してきました。従来は紙で実施してきたスタンプラリーにデジタルスタンプラリーである「プラチナラリー」を導入頂いた背景や効果、今後の展望についてお話を伺いました。

栃木県と群馬県にまたがる両毛地域
栃木県自然環境課 高橋 岳雄様、吉岡 涼様

プラチナラリーの導入に至った背景

- デジタルスタンプラリーシステムの導入背景について、教えていただけますか?

「プラチナラリー」を活用したデジタルスタンプラリーを2022年6月1日〜9月30日に初めて開催しました。2021年に実施する予定だったものを、コロナで1年延期して開催した形です。
それ以前に紙でのスタンプラリーを3回実施してきましたが、昨今のデジタル化の流れと新型コロナウイルス対応のために、スマートフォンなどのモバイル端末を使って非接触でスタンプラリーを行えるシステムが必要になり、導入に至りました。
高齢の方が使えないのでは?という懸念から、初年度は紙とデジタルを併用する意見もありましたが、そうするとデジタル移行、コロナ対策どちらの目的も達成できないと考えました。60代70代の高齢者もスマホを使っているというデータもあったため、デジタルに100%振り切ることにしました。結果、コロナ対応のためのスタンプラリーの非接触化という課題を解決することができました。

デジタルスタンプラリーはコロナ対策が導入の一番の目的でしたが、実際に導入してみて担当者側で感じた大きなメリットは、データの収集が非常にやりやすくなった点です。
具体的には、実績を連絡会議参加事業者の皆様に共有する際に、データ収集や属性の可視化が即座にできる点が非常に良かったです。従来は報告のためにデータを集計する作業が発生していましたが、その事務作業が簡素化できました。また紙のスタンプラリーでは参加者の属性情報を取得していませんでしたので、今回デジタルスタンプラリーによって属性情報を取得でき、それをダッシュボード上で見やすいグラフで確認できたのは大変わかりやすかったです。

- なぜプラチナラリーをお選び頂けたのでしょうか?

もともと紙でやっていたスタンプラリーのパッケージがあり、それとなるべく同じような形でできるサービスでやりたいという想いがありました。スタンプラリー企画では「おもてなし施設」という、地域店舗の皆様の協力によってスタンプラリー参加者へ割引サービス等を提供する仕組みがあり、それを組み込めるようなプラットフォームはないかと探した結果「プラチナラリー」に辿り着きました。 またスタンプラリー企画は参加している事業者様からの負担金で運営をしているため、費用感が合うかについても十分検討した結果、「プラチナラリー」の採用を決めました。

栃木県「国際避暑地日光 皇室・大使の別荘めぐり」スタンプラリー概要

・日光田母沢御用邸記念公園、英国大使館別荘記念公園等の7スポットをスタンプラリースポットに設定
・スタンプラリースポットを4箇所巡ると先着で記念品をプレゼント
・全7スポットのスタンプを集めサイトから応募すると抽選でオリジナルタンブラーや宿泊補助券等の素敵な商品が当たる
・「おもてなし施設」ではスタンプラリー画面を見せると割引やプレゼント等のサービスが受けられる
・JR東日本、東武鉄道各社のハイキングイベントと連携開催

導入後に生まれた効果

- プラチナラリー導入後、どのような効果が出ていますか?

集計事務や実績の可視化が、想定以上に簡単にスピーディに行えるようになり業務の効率化が進みました。スポット施設での管理・運用も簡易化され、印刷費の削減でコスト面でもメリットがありました。集客データは参加事業者様へフィードバックし、今後のマーケティングに役立てていただくと同時に、事務局でも今後のPRに活かすことができると感じています。

ダッシュボード(「マップ」タブ画面)
ダッシュボード(「マップ」タブ画面)

まず担当者側では、集計事務の簡易化、実績の可視化がとてもすばやくできる点が非常に助かりました。限られた業務時間の中で多種多様な業務を行う必要がある中で、スタンプラリーの集計事務、そこから参加事業者の皆様へ実績報告するまでの時間が短縮でき、業務を効率化することができました。
データの可視化は導入前から想定はしていたものの、実際にサービスを使ってみてUIが良く、グラフ等のダッシュボード画面が非常に見やすいと感じました。操作は最初不慣れで難しいと感じることもありましたが、一度やってしまえば一括で管理できる点は非常に使いやすかったです。

スタンプラリースポットの施設側では、アナログからの移行で従来のスタンプ台の設置やお手入れ等面倒な作業がなくなった反面、初年度は新しいシステムの導入というところで多少負担感もあったようです。ですが、次回以降は新たなシステム登録も少なく案内も慣れてくるので、運用面でもかなり楽になると思います。
紙の場合は、プレゼント応募のために応募箱設置や台紙の案内等が必要でしたが、デジタルではそのあたりが画面上で済む点もメリットです。

コスト面では、システム導入の検討段階で導入費と印刷・紙代の費用を比較してメリットがあることを確認した上で導入を決めました。結果、実際に費用的なメリットがありました。

参加事業者からは、居住地のデータが非常に参考になったとご好評を頂きました。今回コロナ禍ということもあり参加者は県内が多かったのですが、県外では近隣の関東地区からの参加者が多く、今後はこうしたデータをプロモーションに活かしていきたいとのことでした。

ダッシュボード(「スタンプラリー」タブ画面)
ダッシュボード(「スタンプラリー」タブ画面)

スタンプラリーの目的としては、周遊性向上のほか、参加事業者様の収益向上という意味合いも大きいため、どういう人がどういうタイミングで来ているという情報をフィードバックすることが重要であり、その目的は十分達成されたと考えています。その情報を基に各事業者様が自分ごととして、品揃えやメニュー等を準備されることが一番の肝だと思っています。

JR東日本様や東武鉄道様は、どこにボールを投げれば一番費用対効果が高いのかの参考にしていただく。紙のチラシを駅に設置してPRをしているため、例えばどこの駅にたくさんチラシを置けばよいかの判断材料にしていただくことが重要だと考えています。
組織内での評判は概ね良好でした。もともとのスタートがコロナ対応でしたので、数字が下がっている状況はあったもののそれが何に起因するものなのかの評価までには至りませんでした。特にクレーム等トラブルもなくデジタルで4ヶ月回すことができたことはデジタル1年目にしては上出来だったと考えています。

スタンプラリーのプロモーションについては、県のHP、事務局のSNS、参画事業者様でのチラシ配布、JR東日本様・東武鉄道様の駅でのチラシ配布、デジタルサイネージ等を活用しました。
課題としては、スタンプラリーの登録や電波の問題もありますが、周知の部分でもう少し参加者の母数を獲得できればというところはあります。さらに今年度良くしていくためには何ができるかということを、収集したデータを活用しながら検討していきたいと考えています。

プラチナラリーの活用で今後目指していきたいこと

- 今後取り組んでいきたいと考えていることはございますか?

今回始めてデジタルスタンプラリーを導入したこともあり、またコロナ禍ということもありましたので、今後はより多くの参加事業者様と連携していければと思っています。参加者の母数を増やすべく、「おもてなし施設」を増やすことでより魅力的なスタンプラリーにしていきたいです。

プラチナマップ上の「おもてなし施設」表示画面(一部)
プラチナマップ上の「おもてなし施設」表示画面(一部)

次回以降もデジタルでのスタンプラリーを実施していく予定です。基本的には魅力的な店舗づくりやイベント実施は各事業者様にお任せし、各施設の周遊を促す最後の一押しとしてスタンプラリーがある、という位置づけですが、参加事業者の皆様ともご相談しながらどのようなオプションが効果的なのか検討していきたいと思います。