福井県 様

3年連続のリピート開催!スタンプラリーと農遊コンシェルジュの連携で、誘客と回遊の仕組みづくり


福井農遊スタンプラリー

2021年、福井県では「農遊[1]」というコンセプトを掲げ「農遊プロジェクト」がスタートしました。2024年春の北陸新幹線の金沢~福井・敦賀駅間の開業や中部縦貫自動車道開通を契機に、県内の主要観光地と農村をつなげ、旅行者に福井の農村を遊んで&回遊してもらう「農遊」地域づくりを進めています。 今回の開催で3年連続、「プラチナラリー」でデジタルスタンプラリーを開催された背景や効果、今後の展望などについて詳しくお話を伺いました。

[1]「農遊」:大型直売所などの拠点施設を中心に観光農園・農家レストラン・農家民宿等の農村を体感するコンテンツをつなげ、農村を満喫するようなツーリズム(福井県の造語)


プラチナラリーの導入に至った背景

- プラチナラリーの導入背景について、教えていただけますか?

福井県で推し進める「農遊」はもともと回遊がテーマになっているので、スタンプラリーとはとても親和性があると感じていました。スタンプラリーをきっかけに「農遊」への参加者を少しでも増やしたいという狙いがあります。 スタンプラリーの主催は「ふくいそばOnline活用推進委員会」で、福井県と福井市、県内の団体や企業での協業の組織体になります。この組織で、同じ福井県の別企画スタンプラリー『ふくいそば スマホ de スタンプラリー』を実施し、そのシステムに「プラチナラリー」を先行導入していた実績があったため、『ふくい農遊モバイルスタンプラリー』を企画する際にもスムーズに「プラチナラリー」をという運びになりました。

同じく福井県でリピート開催されている「ふくいそば スマホ de スタンプラリー」
同じく福井県でリピート開催されている「ふくいそば スマホ de スタンプラリー」

- なぜプラチナラリーをお選び頂けたのでしょうか?

スタンプラリーを実施するのであれば、参加者にとっても企画参加スポット側(農村施設・観光地・店舗)にとっても利用しやすいものがいいと考えていました。参加者には年齢問わず幅広く参加してもらいたかったので、誰もが持っているスマートフォンからアプリダウンロード不要で利用ができる点にメリットを感じました。事前準備などの運営観点では、システム的な専門知識がなくても直感的に管理画面の設定や操作ができること、そして「こういうことがしたい」というこちらのニーズに対して専任担当にサポートしてもらえることもプラチナラリーを選んだポイントになります。

- 今回のデジタルスタンプラリーに関する施策はどのようなものだったのでしょうか?

「ふくい農遊モバイルスタンプラリー」スタンプラリー画面
「ふくい農遊モバイルスタンプラリー」スタンプラリー画面

今回開催(2023年8〜10月)したスタンプラリーもこれまでと同テーマの「農遊」を促進するスタンプラリーで、対象スポットとなる100ヵ所以上の農村施設・観光地・店舗をスタンプを集めながら巡ってもらうという企画内容です。 一人でも多くの人に農村に足を運んでもらえるように、スポット選定には工夫をしています。人が立ち寄りやすい主要観光地もスタンプラリーの対象スポットに加えることで、そこから農村への参加者の誘引をはかることを目指しました。スタンプを集めて応募できる特典には、農遊を感じてもらえるように“農遊体験チケット”や“ご当地グルメセット”などを揃えました。

福井と農遊が体感できるスタンプラリー特典
福井と農遊が体感できるスタンプラリー特典

- 観光推進に関して、他にどのような推進方法をお考えでしょうか?

福井県では、“農村の情報を魅力的に伝えられるプロフェッショナル”として「農遊コンシェルジュ」という認定制度を設けています。地元の人しか知らない情報を伝達・発信していけるように、県では定期的に研修会を実施。研修会を受講後、要件を満たした方々を農遊コンシェルジュとして認定をおこない、現在では178名のコンシェルジュに県内各地で活躍いただいています。 スタンプラリーの対象スポットにはコンシェルジュ認定の施設・店舗も多くあります。スタンプラリー経由でまず農遊コンシェルジュのいる施設・店舗に訪れてもらって、そこからコンシェルジュのコーディネートや紹介で次のおすすめの場所に繋いでいく、というのが理想のカタチです。そのために、まず地域に足を運んでもらい農遊コンシェルジュにコンタクトしてもらうきっかけとして、スタンプラリーには大きな役割を期待しています。

農遊コンシェルジュの認定マークスタンプラリーのスポット詳細画面にも農遊コンシェルジュがいることをPR
農遊コンシェルジュの認定マーク
スタンプラリーのスポット詳細画面にも農遊コンシェルジュがいることをPR

導⼊後に⽣まれた効果

- プラチナラリー導入後、どのような効果が出ていますか?

正確な人数まではまだ検証できていませんが、「若いお客さんが増えてきている」というような声が参加施設から聞こえてきていますし、スタンプラリーを通じてそれまで知られていなかったスポットを知ってもらうことができたと感じています。また、県内在住の人達の動きにも少し変化がみられていて、参加店舗への来訪頻度が増えているそうです。 外(ソト)からの誘客だけではなく、中(ナカ)の人達の活性化という発見もできました。

- ダッシュボード(管理画面)で表示されるデータはどのように活用されていますか?

参加者の性別・年齢などを簡単に確認することができますし、県内のどこから来ている(もしくは何県からきている)、どこのスポットを訪れたなども視認性高く閲覧することができるのは非常に便利です。この貴重なデータを今後の農遊プロジェクトや他の企画を検討する際などに活用したいと考えています。

「プラチナラリー」ダッシュボード画面(居住地 / スポット別スタンプ取得状況)
「プラチナラリー」ダッシュボード画面(居住地 / スポット別スタンプ取得状況)
「プラチナラリー」ダッシュボード画面(居住地 / スポット別スタンプ取得状況)

- 組織内外からの評価・評判はいかがでしょうか?

企画に際しての運営側の準備の手軽さはもちろん、スタンプラリースポットとなる農村施設・観光地・店舗側の参加のしやすさも好評で、毎年企画に参加してくれる農遊コンシェルジュも数多くいます。集客も期待できるため、関係者全体としてスタンプラリーにポジティブです。

プラチナラリーの活用で今後目指していきたいこと

- 今後取り組んでいきたいと考えていることはございますか?

これまでの複数回のスタンプラリーの開催を経て、人気のスポットや周遊のルートなどはデータで確認できていますので、そのデータをもとに農遊ツアーやその他企画などを前向きに検討していきたいと思っています。 スタンプラリー運営面では、特典応募の際などにアンケートを実施してユーザーの声をさらに集め、今後の活動にフィードバックしていきたいと考えています。

福井県 農林水産部 中山間農業・畜産課 笹木様
福井県 農林水産部 中山間農業・畜産課 笹木様

- これまでの取り組みを振り返って感じていることをお教えください。

「農遊プロジェクト」を推進し農村を回遊させる仕組み・ツールとして、スタンプラリーはベストだと感じています。例えば、ツアーを組んでそれを商品化して回遊してもらうというようなやり方もありますが、参加者に能動的に巡ってもらうとなると、やはりスタンプラリーが最適解だと思っています。来年度もまた夏頃に「農遊」企画でのスタンプラリー開催を予定しています。
来春には北陸新幹線の福井・敦賀の開業などもあり、福井にアクセスしやすくなる環境が生まれます。 私達の取り組む農村での交流人口の増加と農家所得の向上を支援する活動のなかで、これからもスタンプラリーを活用しながら福井県の魅力を満喫してもらえるように一層取り組んでいきたいと考えています。

ありがとうございました。