神奈川県川崎市・全国都市緑化かわさきフェア実行委員会 様
回遊率2倍、コンプリート率6倍! 「行きづらい」を「行きたい」に変えた川崎市のデジタル戦略とは
2024年に市制100周年を迎え、様々な記念事業を展開してきた川崎市。記念事業の一つとして開催された、都市緑化意識の高揚や緑化に関する知識の普及を目的とする「第41回全国都市緑化かわさきフェア」では、市内に点在するイベント会場やスポットの回遊性を高めるため、デジタルスタンプラリー「プラチナラリー」を導入しました。今回は、川崎市市制100周年記念事業・全国都市緑化かわさきフェア実行委員会の井上様に、プラチナラリー導入の背景から得られた効果、そして今後の展望についてお話を伺いました。

名称:かわさきみどりスタンプラリー(春開催)
主催:川崎市市制100周年記念事業
全国都市緑化かわさきフェア実行委員会
開催日:2025年3月22日(土) - 2025年4月13日(日)
スタンプ数:8箇所
スタンプ方式:QRコード方式
特典方式:応募フォーム
オプション:グルーピングOP
※2024年10月19日 - 11月17日にも「秋開催」として同内容で実施
川崎市の地理的課題を解決するデジタル施策
- デジタルスタンプラリーを導入した目的を教えてください
2024年秋と2025年春の2会期にわたり開催した「第41回全国都市緑化かわさきフェア」では、各会場の回遊性を高めるためにデジタルスタンプラリーを導入しました。
3つの会場は、それぞれ市の南部、中部、北部に位置していたため、来場者の皆様にこれらの会場をいかに巡っていただくかが課題となっていました。また、市内各所に設けた「まちなかみどりスポット」にも足を運んでいただくことで、川崎市全体の多様な“みどり”の魅力や効果を発見して楽しんでいただきたいという狙いもあり、デジタルスタンプラリーの導入に至りました。

各会場に距離があり1日で全会場を巡ることは難しく、回遊促進施策が必須だった
また、スタンプスポットには「国内最大級」 や「市内唯一」といった特徴的な“みどり”が見られる、川崎市ならではの「まちなかみどりスポット」を設定し、全8箇所を巡るデジタルスタンプラリーを開催しました。

実際に開催したスタンプラリー画面
- 「プラチナラリー」を導入した経緯を教えてください
デジタルスタンプラリーのサービスは複数ありますが、今回は参加の手軽さを最優先し、アプリのインストールが不要な「プラチナラリー」を選びました。
実際に「過去にアプリだったスタンプラリーをWEBに切り替えて参加者が増加した」という商業施設の事例も把握していたため、アプリ不要の「プラチナラリー」は最適なサービスだと感じました。
また、デジタルスタンプラリーの開催期間以外でも、かわさきフェアのコンテンツや、まちなかみどりスポットの情報を継続して提供するため、「プラチナラリー」と連動可能なデジタルマップ・プラットフォーム「プラチナマップ」も同時に導入しました。
- 同時導入した「プラチナマップ」の具体的な活用目的や公開方法を教えてください
デジタルマップには、各会場内の花壇や「まちなかみどりスポット」、グルメ、ステージイベント、宿泊施設といった情報をまとめて掲載することで、会場だけでなく市内の回遊や滞在時間の延長に繋げました。

デジタルマップではカテゴリー表示やキーワード検索により、興味のあるスポットを探すことができる
また、本イベントのパンフレットにもQRコードを掲載し、デジタルマップへの誘導を行いました。
デジタルマップとデジタルスタンプラリーが同一プラットフォーム上で利用できたことで、複数のWEBサイトを行き来する必要がなく、情報収集と企画参加がスムーズにできる仕組みが良かったです。

各会場のパンフレットに掲載されたQRコードを読み取ると、その会場の周辺に絞り込んだデジタルマップが表示される
2会期の開催で大幅な成果!市内の回遊促進に成功
- プラチナラリー導入後、どのような効果が出ていますか?
秋と春の2会期でイベントを開催したため、秋開催のダッシュボードから得られた参加者データを詳細に分析し、春開催でいかに参加者を増加させるか、特典応募者数を増加させるかなどの改善策を練ることができました。プラチナマップやプラチナラリーの高いクオリティには十分満足していたため、システムは変更せず、特典の商品の拡充やプロモーション戦略の強化に注力しました。
その結果、秋開催と比較して春開催では、平均スタンプ取得数が約1.5倍、特典応募者数が約2倍、特典応募数も約3倍を記録しました。さらに、開催期間中に2日以上かけて参加された方の割合も、春開催に比べ増加させることができました。

各会場の案内所や通行量の多い場所にパネルを掲示。スタンプラリーに遷移するQRコードを掲載した
川崎市は南北に長いという地理的特性から、複数のスポットを巡る際に、どうしても時間がかかってしまいます。今回導入したプラチナラリーとプラチナマップでは、スポット情報が視覚的に分かりやすく表示されるため、利用者は現在地から次の目的地までの距離感を掴みやすくなりました。これにより「この距離なら行ってみようかな」という、移動への心理的ハードルを下げる効果に繋がったと推測しています。
さらに、デジタルマップを通じて利用者の様々な興味や目的に応じた情報発信ができたことも、今回の成果に繋がった重要な要因だと考えています。
データを活用し、今後の継続的な市民参加を目指す
- ダッシュボードのデータで得られた気づきはありますか?
ダッシュボードで参加者の属性データを確認したところ、全体の約3分の2を女性が占めていました。特に30代の女性が多く、今回の企画がこの層に支持されたことが分かりました。
今回のイベントで実施したデジタルスタンプラリーが、どのような層に響くのかをデータとして明確にできたことは、大きな収穫でした。今回得られたデータを活用し、今後の企画立案に繋げていきたいと考えています。
- 今回の結果やデータを活用して、今後取り組んでいきたいことはありますか?
川崎市には多くの魅力的なスポットが存在しますが、その価値を最大限に活かすには、まず市民や来訪者の皆様に広く知っていただき、実際に足を運んでもらう必要があります。今回のプラチナラリーで得られたデータや行動分析は、今後の企画立案に活用していければと思っています。
特に注力したいのが、将来のまちづくりを担う若い世代の参加促進です。若い世代が様々な場所を訪れるきっかけ作りとしてデジタルスタンプラリーが有効であることが分かったため、回遊促進に加え、同一スポットへの再訪を促す仕組みとしても活用できると考えています。こうした取り組みを通じ、まちへの愛着や参画意欲を育んでいけることを期待しています。
開催期間中は、リアルタイムで更新されるダッシュボードを活用し、「現時点での応募者数」「前回比での増加率」「スタンプ獲得傾向」といったデータをチーム全体で常に共有しながら運営を進めました。成果がリアルタイムで可視化されたことは、スタッフのモチベーション維持・向上に繋がったと感じています。即時に状況を把握できるデジタルの利点を活用することで、開催期間中にもデータに基づいた改善策を講じることができ、運営の最適化を図っていけることに気づくことができました。
デジタル施策によるまちの魅力発信
- 今回のデジタル施策の総括と今後の展望をお聞かせください
プラチナラリーとプラチナマップを同時に活用したことで、市制100周年記念事業の核となる全国都市緑化かわさきフェアの盛り上げと賑わい創出を達成できました。市内広範囲の回遊性を高められたことは、南北に長い川崎市の地理的特性を考えると、非常に意義深い成果でした。
今回の取り組みが、市民の皆さんには川崎の魅力を再発見する機会となり、市外から訪れた方には川崎の魅力に気づいていただける機会となっていたら嬉しいです。
ありがとうございました。
プラチナラリー担当営業 コメント
会場間と会場内の双方の回遊促進という課題に対し、デジタルスタンプラリーとデジタルマップを組み合わせることで、情報発信と回遊促進を両立させるシステムや見せ方をご提案させていただきました。春開催では、前回を大幅に上回る成果を上げることができたとのこと、大変嬉しく思います。今後、川崎市様で開催されるイベントにおきましても、事業の成功に貢献できるシステムをご提供できるよう、一層努めてまいります。神奈川県川崎市 概要

川崎市は、市制100周年の象徴的事業として「みどりで、つなげる。みんなが、つながる。」をテーマに、2024年秋、2025年春に全国初の2期開催で「第41回全国都市緑化かわさきフェア」を開催。開催に向けては、市立小・中・特別支援学校170校での協働の花づくり・花かざりや、多くの企業・団体・学生と一緒になってメインガーデンづくりを行うなどに取り組む。今後は、次の100年を見据え「みどりでつなげる、暮らしやすく住み続けたいまち」を目指して、みどりの持つポテンシャルを最大限に活用した取り組みを展開している。
www.city.kawasaki.jp/530/soshiki/10-11-0-0-0.html


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