北海道ニセコ町役場様
株式会社ニセコリゾート観光協会様
デジタルスタンプラリーの定期的な開催で、独自データを観光マーケティングに利活用。関係組織とのダッシュボードの共有で、ベクトルをひとつに!
北海道ニセコ町は、国立公園・国定公園に指定されるなど、四季折々の自然景観に恵まれた通年観光リゾート地で、夏期には登山・トレッキング・カヌー・ラフティング等の体験型アウトドアスポーツ、冬期には世界に誇るパウダースノーと大規模なスキー場でのウインタースポーツが盛んな地域です。2年ほど前から“まちづくり”の文脈でデジタルやAIを使った取り組みを進めるなかで、昨年デジタルマップを導入し、今回デジタルスタンプラリーを開催した背景や、これらを活用した今後の展望などについて詳しくお話を伺いました。
プラチナマップ/プラチナラリーの導入に至った背景
- デジタルマッププラットフォーム/デジタルスタンプラリーシステムの導入背景について教えていただけますか?
デジタルスタンプラリーに先駆けて、2023年9月にまずデジタルマップ(プラチナマップ)の導入からスタートしています。もともと、町と連携して商工会が紙で発行・運用していた飲食店マップがあったのですが、それをベースにブラッシュアップや情報拡充などをおこない、「ニセコ町デジタルグルメガイドマップ」としてリニューアルしました。そのデジタルマップをさらに利活用していこうという方針のもと、2024年夏に観光協会が中心になりデジタルスタンプラリーを企画・開催することになりました。
- いくつかあるサービスのなかで、「プラチナマップ/プラチナラリー」をお選びくださった理由を教えていただけますか?
他社サービスも比較したなかでプラチナマップを選んだ理由としましては、プロダクトページ“お客様の声”の金沢市さんのインタビュー記事など拝見し、大変参考になったことがひとつです。その他、我々の運用担当者が直感的に触れる管理画面の操作性、インバウンド受け入れにはマストである多言語対応、費用面でもライトなプランがあったことも導入しやすかったポイントでした。
- デジタルマップ/デジタルスタンプラリーの導入・実施目的について教えていただけますか?
観光地であるニセコ町にはいろいろな飲食店があるのですが、場所的に点在していたりインターネットやSNS上での情報発信が苦手な飲食店事業者もいるため、きちんと町全体として情報整理したマップを作って、それを観光客の方々に提供することで地域での飲食を便利に楽しんでもらいたい、と始めたのが紙ベースのグルメガイドマップです。マップのデジタル化については、観光客の情報収集方法の多くがスマートフォン上で完結する流れになってきているので、そのニーズを満たすものを導入し切り替えていきたい、という目的がありました。
デジタルスタンプラリーの開催について
- デジタルマップ/デジタルスタンプラリーの導入・実施にあたって、なにか目標などは設定されていましたか?
導入・実施にあたっては特に目標は設定しておらず、「まずはトライしてみよう」という方針で取り組みました。運用側が簡単に管理画面の設定や操作ができたり、マップ利用者がアプリインストール不要で利用可能ということは理解したうえでの導入しでしたが、正直未知数な部分もあったので、まずはトライしてみることを優先しました。いざ実際に設定などをおこなった感想としましては、初見でもガイドを見ながら直感的にスムーズに対応することができました。
2024年夏に開催された「AI北斎×夏のニセコ 三+六景 デジタルスタンプラリー」
- デジタルマップ/デジタルスタンプラリーの訴求・PR・告知について教えていただけますか?
下記のようなPR活動を展開・実施しました。
・町役場と観光協会のWebサイトおよびSNS
・ポスターを制作し、主要観光施設や道の駅などに掲示
・ポップとQRコード入りのカード(日本語版・英語版)を制作し、マップ掲載の飲食店などに設置
・PR TIMES
・北海道ニセコ町note
「note」では、実際の利用者目線でデジタルスタンプラリーの体験レポートを投稿し、遊び方と合わせてPRをおこないました。
noteでのデジタルスタンプラリーの体験レポート
デジタルマップにアクセスできるQRコード掲載のカード配布
- 観光推進を進めていくなかでのデジタルマップ/デジタルスタンプラリーの役割については、どのようにお考えでしょうか?
現時点では、ニセコ町に来ていただいた観光客への飲食店情報の発信と観光スポット情報の発信が中心です。ただ、これからの役割としましては、スタンプラリーイベントなどをうまく企画することで、戦略的に人流を促すようなところに繋げていけるのでは、という感触を強く持っています。ほかには、やはり外国の方々に向けた情報発信です。認知拡大やプロモーションの部分にもうまく繋げていけたらとも考えています。
導入後に⽣まれた効果
- プラチナマップ/プラチナラリーの導入・実施後、どのような効果が出ていますか?
普段はなかなか足を運んでもらいづらいですが私達としてはお勧めの有料施設も戦略的にスタンプラリースポットに組み入れてみたところ、想像以上にその施設に訪れてもらうことができました。また、スタンプラリーの参加者には、北海道外から来た方も2割ほどいらっしゃったので、誘客という点でも手応えを感じています。もっとイベント情報の発信を工夫していくことで、ニセコ町へのさらなる誘客にも繋げられると感じています。
- ダッシュボード(管理画面)で表示されるデータはどのように活用されていますか?
町役場・観光協会・商工会の3者間でダッシュボードの情報を共有することで、共通認識のもと議論や相談ができ、目指すベクトルを合わせていくことができました。スタンプラリーの開催中にはダッシュボード画面上でスタンプラリー特典(温泉無料券)の利用回数データが確認できたため、リアルタイムな反響を数字面からも手応えとして感じることができました。スタンプラリー終了後は、開催期間中のデータをそれぞれの施設に対してのフィードバックに活用予定です。
「プラチナラリー」ダッシュボード画面(居住地 / 電子チケット利用状況)
- 組織内外からの評価・評判はいかがでしょうか?
デジタルへの取り組みを始める前は、初挑戦ということもあり参加店舗などから少し心配する声も聞こえていましたが、サービスの分かりやすさもあり思っていた以上にスムーズに受け入れられたと感じています。また、ニセコ町の狙いとして地域に住む方々にもスタンプラリーイベントを楽しんでもらうことを重要視していたため、その方々にも満足の声をいただけたことは嬉しく思います。
ニセコ町役場 川埜様/ニセコリゾート観光協会 中野様
これまでの振り返りと今後の展望について
- これまでの取り組みを振り返って感じていることを教えていただけますか?
「まずはトライしてみよう」という方針でプロジェクトがスタートしましたが、デジタル化推進(デジタルマップ/デジタルスタンプラリー)で、大きなトレンドや人々の動きなど、各種データを運営側でリアルタイムに把握できるようになりました。“いまあのエリアにこれだけの人が訪れてくれているんだな”や“いま何人が特典を利用してくれているんだな”など、取り組んでいることの成果が掴みやすくなったところは、まさにデジタル化のメリットだと深く実感しています。また、デジタルシフトにより作業負担の軽減も実現することができ、結果的に内部管理業務の効率化・省人化にもつながりました。
2024年秋に開催された「ニセコ町グルメスタンプラリー」
- デジタルマップ/デジタルスタンプラリーの活用を通して、取り組んでいきたい今後の展望を教えてください。
デジタルスタンプラリーは今回が初開催でしたが、準備工数や費用対効果など運営目線からも良いイベント施策だと感じましたし、デジタルスタンプラリーを使った誘客も効果あることが実感できましたので、今後いろいろな時期にイベントの展開ができればと考えています。デジタルスタンプラリーを定期的に開催することで、必然的に独自データの蓄積が可能になるので、これを様々に活用できるのではとイメージが膨らんでいます。今後の予定ですが、直近で飲食店のスタンプラリーイベントを第2弾としてすぐに実施します。その後は、冬場9割を占める外国人観光客に向けてのスキー以外に楽しめる要素として、スタンプラリーを絡めて何かできないかなどを思案中です。デジタル化については、ソリューションを導入して終わりではなく、試行錯誤を繰り返しながら実績を積み上げ、関係者との連携や啓蒙をおこないながら今後も一層取り組んでいきたいと思っています。
ありがとうございました。
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